columnコラム
◆狭小(きょうしょう)住宅とは?
~約15坪以下の土地に建つ家のこと~
一般的には約15坪(50m²)以下の土地に
建てられた狭く小さな家のことを
「狭小住宅」といいます。
特に都市部では、敷地が単に狭小というだけでなく、
変形地だったり、密集地にあるという場合も多いです。
それでも、さまざまな設計の工夫をすれば、
「敷地を最大限に活かした、明るく広々と暮らせる家」
を建てることが可能になるのです。
もともと土地の面積が小さいため、
土地代は安く抑えることができる、
というのが狭小住宅のよさです。
「土地が狭すぎて建てる家に制約が多くなってしまう」
と敬遠されることを想定して
土地単価が安めに設定されている場合などは、
さらに土地代を抑えることができるのです。
「限られた予算でも、念願のマイホームを建てたい」
方には検討してみる価値があります。
◆狭小住宅を建てる工夫
~敷地を垂直方向にフル活用~
限られた敷地を活かすひとつの方法が、
垂直方向への活用です。
具体的には、2階建てや3階建て、
4階建てにする、地下室をつくるなどして、
「フロアを増やす」方法です。
屋上利用ができれば、ガーデニングを楽しんだり、
子どもやペットの遊び場にしたりと、
戸外であるものの「もうひとつの居室」
という感覚で使うこともできます。
また、床下収納や小屋裏収納も便利です。
1階と2階の間に「中2階」を設けることで
「2階建てだけど3層構造」にして、
さらに床面積を増やすという設計方法もあります。
◆限られた空間を広く使う手法
~間仕切りを少なく「広がり感」を演出~
「垂直方向活用」のほかにも、
広く暮らすための工夫はいろいろあります。
そのひとつが、
「仕切りを少なくする」「仕切るなら透ける素材を使う」
ことです。
そうすることで視線が遠くまで届き、
広がり感をより強く感じることができます。
また、ひとつの空間を多目的に使えるようにするのも
ポイントです。
例えばLDKの一角に畳コーナーや
造り付けのカウンターを設けるのも
ひとつのアイデアです。
家族が食事をして寛ぐだけでなく、
お客様を招いたり、子供が宿題をしたり、
アイロンかけをしたり、
とさまざまなシーンに使えるようにすれば、
空間を有効に使うことができます。
さらに階段を上がったら踊り場や廊下を設けずに
すぐ居室にするなど、
「廊下スペースを居室に取りこむ」手法も
広さを確保する有効な方法です。
◆狭小住宅の注意点
~多層階の場合は、上下階の動線に配慮を~
狭小住宅は、空間を有効に活用するための
いろいろな工夫を施すことで、
建築費が割高になりがちになります。
コスト配分を考えながら、
慎重にプランをつくっていくことも大切です。
地下室をつくる場合は隣家への影響がないことを確認し、
事前に説明して理解を得ておくといいでしょう。
同様に、平屋や2階建ての家の隣に3階建てや4階建てを
建てる場合など、法規上はクリアしていても、
隣家への日当たりの影響に配慮することも大切です。
プランの上で気をつけたいのは、上下階の動線です。
「1階に洗濯機置き場があって、3階に物干しベランダ」
「トイレが1階、寝室が3階で、
夜中にトイレに行くのが大変」などとならないよう、
生活動線や家事動線も
しっかりシミュレーションしましょう。
大きな家具や電化製品が家の中に
入らないということのないように、
廊下や階段などのサイズにも注意が必要です。
それでは、また。
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